こんにちは。前回の記事では私たちが東京ゲームマーケット2024秋に出すゲームは円状のゲームだと紹介しました。
そこで、今回はなぜ市場に円状のゲームが少なく升状のゲームが多いかということを、実際に円状のゲームの制作の中で色々試行錯誤した視点から考えをお話しさせていただきます。
まず最初に、次の 2 つの観点で考えてみます。
1、ボードの形状としての円状
2、駒の動きとしての円状
一般的なボードゲームの形状を見てみましょう。
マスの形は 、基本的に四角、少し変わったもので 、ヘックスや三角などがあります。
それを縦横に繋げることで広がりが生まれて、面になり、ボードとなるわけです。
そして、 駒の置き方はマスの中か、交差している点が多いです。
さらに、動きとしては縦横、斜めが基本となります。
円状の場合はどうでしょうか?
まず初めに面として見るか、線として見るかの違いがありますが、円の特徴はこの二面性にあると思います。
今回はなるべく線の要素を活かしていく方向で見ていこうと思います。
次に、円上でのコマの動きについて見ていきましょう。
まず、最大の特徴は、マスにはない“周回”という動きがあることだと思います。
線上を移動したときに、ぐるっと動かすと、元いた場所にコマが戻ってきますよね。
これが、円の面白さもとい、ボドゲ制作の大きな課題かなと思っています。
円上を回るということから、コマの動きがマスに比べて制限されてしまっているという
ことですね。
円をそのまま重ねたり、縦横に伸ばす手もあります。
ですが、これではマスと変わらず“周回”の良さは活かしきれないと思います。
この閉じた線上に点を設けて、閉じた線上をいかに面白く動かすかということになっていきます。
線上に動かす場合、方向が前か後ろかの2方向しかないことにここで気がつくことになります。
また、この円を解いて線にすると、よく知られている双六ゲームのようなスタートとゴールのあるゲームになります。
前後左右に動かせるのであれば、円状のチェスやチェッカーなど興味をそそるゲームはたくさんあるのですが、マス状のゲームとシステムは変わらなくなってしまいます。
動きのバリエーションを増やす為に、 ワープゾーンを設けることも考えましたが、勝利条件が決まらず、 ゲームが終わらないなど ルールの複雑化につながってしまいます。
なので、完全に円のみをテーマとした場合、かなりゲーム性に制限がかかることがわか
ります。
今回制作している新作に関しては、円をずらして重ねることで円の持つ“周回”性を保ちつつ、駒の動きを拡張することを試みました。
円をずらして重ねることで、 円の特性を残しつつマス上での駒の 「縦横」 の動きを再現できたのではないかと思っています。
イメージとしては「沈没大作戦」というおもちゃですが、このおもちゃは落ちていく一方で我々の作品に関しては“上り”も可能となっています。
制作のなかでやはり、 「ボード」ゲームは、コマ・ボードの二つのみならず、コマの「動き」や「勝利条件」など様々な要素でで構成されていると再認識できました。
いかがだったでしょうか?円状のゲームについて少し語ってみました。
新作ゲームの紹介まではまだできませんが、気長に待っていただけると有難いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
コメント