みなさんいかがお過ごしでしょうか?
先日、ゲームマーケット2022大阪が急遽中止になったとの知らせが届きました。
客として参加しようと考えていたメンバーは非常に残念がっていました。
オミクロン株の感染が拡大しているのでイベントの自粛はやむを得ないですね。
前回同様、出店予定のサークルには何らかの救済措置があると思います。
今年の大阪では出会えませんが工房Aのメンバーは、次回のゲームマーケットにて出会える、まだ世に出ていないボードゲームを楽しみに待つことにします。
また、今の大変な世の中でゲームマーケットを開催してくださる運営のみなさん頑張ってください。
工房A~近況報告~
さて、年が明けてもう1か月となります。
この1か月の工房Aの近況報告です。
この1か月はアイデア出しを主に行っていました。
工房Aゲーム創作担当「K氏」のアイデアの源流については、最後の方でちらっと紹介したいと思います。
今回は3つのパターンにてゲームを構想しました。
1、バランスゲーム
2、アブストラクトゲーム
3、トリックテイキングゲーム
の3つです。
結果ですが、今年もアブストラクトゲームになりそうです。
というのも、ゲーム創作担当がアブストラクトゲームが大好きなため創りやすいそうです。
彼曰く「アブストラクトゲームシステムは、究極的には数字で表現できるほど単純なものである。そのほかの、殆どのゲームの根幹にはアブストラクトのシステムが組み込まれている為、まずはこちらを深堀をしたい」とのことです。
急に語りだしてきたので聞き流しましたが、しばらくは基本を学びたいんだなと解釈しました。
並行して、最初に挙げたバランスゲーム、トリックテイキングゲームについての構想も考えていくそうなので数年後に発表できるかもしれません。
ちなみに、バランスゲームの初期案で試遊してみましたが、なんとも微妙という結論に至りました。
色々と試行錯誤してみた結果、バランスゲームの留意点は
1、素材
2、サイズ
3、動作
の3つに集約されると思っています。
この3点を突き詰めたら、みんながどきどきして熱中するような演出ができると考えています。
ということで、今年も新しいアブストラクトゲームをお楽しみに!
ゲームのアイデアについて
さて、今回は創作担当と少しだけ自分のゲーム観について話をする機会があったのでその内容をかいつまんで紹介したいと思います。
工房Aは、今年発表する作品を含めると3作目になる予定で、約3年活動をしています。
その間に出てきたアイデアはそんなに目を見張らないものも含めて50案ほどだそうです。
1000日で50個ということは、だいたい3週間に1アイデアということになりますね。
K氏曰く、「創造力はかなり少ない方だから今後はもっと精進します。」
とのことで、もっと頑張ってくれるそうです。
アイデアの出し方
それでは、彼がアイデアを捻り出す方法についてですが、大事なポイントを3つに分けて紹介します。
- ゲームを創りたいという意欲
- 多方面から楽しみ方を考える(興味を持つ)
- 日常の時間を大切にする
これを聞いたときは、当たり前すぎて拍子抜けしましたが、こんなものだそうです。
でも、これだけあればアイデアを出せるということですね。
話し始めると止まらないので、その内容をかいつまんで紹介します。
1.ゲームを創りたいという意欲
ゲームを創り出し売る、という行為のどこが楽しいのかに焦点を当てているそうです。
彼曰く、「自分が苦悶し、ひたすら考え、削ぎ落していったものを世界の誰かがプレイしていると考えるだけで脳汁が溢れ出す、さらに楽しいからもう一回やろうと言っていることを想像するとなおよい。」
とのことです。変態ですね笑
簡単にまとめると、自分が想像したものが承認され、認知されることが嬉しいんだそうです。
2.多方面から楽しみ方を考える
楽しみ方は1つだけではなく、例えばボードゲームであれば、素晴らしい箱のデザインや内容物を鑑賞する。
ゲームのルールを理解する。
ゲームをプレイする。
ゲームに勝利する。
協力して課題をクリアする。
これらのように、さまざまな楽しみ方があり、それら全てを美しくデザインできれば
最高のボードゲームが完成する。とのことです。
映画や漫画、絵画の鑑賞もしくはスポーツや誰かと話をしているときなど、自分が楽しいと思う瞬間にどの要素が自分をその感情にさせているのかを考えているそうです。
そうすると、さまざまな要素が自分をその感情にさせていることに気が付き、どんな要素が自分にストレスを与えているのか感じることができるようになるそうです。
さまざまな事象に興味を持ち、楽しみ、その経験をゲームに落とし込んでいくとのことです。
3.日常の時間を大切にする
ニューゲームズオーダー出版からの抜粋になりますが一言で表すならこの言葉が適当らしいです。
”小説と同様、ゲームは青天の霹靂のごとく不意にやってくるものではない。あるデザイナーにより、ある時、ある社会的状況の中でもたらされるものだ。”
―BrunoFaidutti,inAppelcline(2006a)
スチュワート・ウッズ. ユーロゲーム (Japanese Edition) (p.84)
社会の中に置かれている私たちは、常に何かしらの情報を受け取っています。
人の動作や物の動き、音、色、匂い、触感などなど。。。
そして、それらは時代によって少しずつ変化してしていきます。
また、過去は書物などの資料から未来は誰かの創造力や自分のイメージから入手することができます。
そして、ロブスターを知らない人間がロブスターの絵を描けないように、殆どの人は自分が知っているものしか想像できません。
そして、人間はそれぞれ何かを想像できる力を持っています。
それをするかどうかはその人の選択になりますが。
そこに1.が関わってきます。
また、絵を描きたい人は絵を描くでしょうし、何かを創りたい人はそれを作ることになるでしょう。
ただ、ロブスターを見たことがあっても描くことができないという事象も存在するとのこと。
つまり、見ても認知しないということが起きた場合、その人はその物体や事象を想像できる機会を失うということになります。
これは2.とも繋がる話でその事象に対し興味関心を抱かず、認知する機会を失えば、その人はその事象をイメージすることができなくなる、もしくはその機会が遅くなる。
とのことです。
そのため、鳥や猫、犬や魚などの自然界の生き物の動きを見たり。
匂いを感じたり、石を蹴飛ばしたり、ニュースを見たりといった小さなことから、人と話したり、どこかにいったり、日常の景色をみたり、電車や車、人の動きを見たりといったささやかな、自分を取り巻く環境を常にあるものとして、ただ通り過ぎるのではなく、日々微妙に変化する事象に対する感覚や入ってくる情報に興味を持ち感じることが、新たなシステム構築へのアイデアに繋がっていくということでした。
かなり長くなりましたが、紹介するとこんな感じだということでした。
最後に
最後に、ニューゲームズオーダーさんが翻訳、出版されたスチュワート・ウッズ・ユーロゲームという本がとてもお勧めなので紹介します。
ユーロゲーム ― 現代欧州ボードゲームのデザイン・文化・プレイ
スチュワート・ウッズ著
タイトルのとおり、ユーロゲームのゲームデザイナーやボードゲーマーたちの大きな動きと、特定のゲームが生まれたことによるゲームデザイナー、ゲーマーたちへの影響について分かりやすくまとめられています。
さらに、それぞれのゲームのジャンルについてや、ゲーマーについての分析、どんな要素がゲームを面白くし、ゲーマーたちを熱中させるか紹介しており、とても読みやすく良い本だと思います。
さらに、それぞれのデザイナーたちの動きや、抜粋されている言葉は、駆け出しのゲームデザイナーのK氏の心を撃ち、創作意欲を刺激するものがあったとのことです。
ぜひ、一度読んでみてください。
かなり長くなってしまいましたが、今日はここまでです。
それでは、また次回!
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